東日本大震災から10年「3.11伝承ロードをめぐる」

取材後記

宮城県仙台市

東日本大震災発生の10日前、現在のテクノロジーマネージメントセンターを
仙台市宮城野区に開設。会社を2拠点化していた。

震災後、津波被害を免れたセンターに災害対策本部を設置。

その一方で、帰宅困難者を受け入れ、近隣住民の避難所ともなった。

その後に従事した復旧工事の後方支援や被災した建物の被害調査、仮設店舗の設計など、
当時はあまり報道されなかった側面に光を当てる。

(株)橋本店 専務取締役 土木本部長 相原真士
専務取締役 建築本部長 酒井篤史

ナビゲーター:宮田敬子

※ラジオ番組音声は以下からお聴きいただけます。

取材後記

ナビゲーター
宮田敬子

それぞれの人にとって待っている人がいる。今回取材を通して強く感じたことでした。

仙台市に本社を構える「橋本店」。仙台市天文台、せんだいメディアテーク、仙台空港など私たちもよく知る建物を手掛けてきた建設会社です。

橋本店では、2008年の岩手・宮城内陸地震を教訓に、会社機能を二拠点化することにし、高砂サポートセンター(現在のテクノロジーマネジメントセンター)を開所します。その開所日は東日本大震災のわずか10日前。「ここがなかったら…」とおっしゃる声を聞き備えの大切さを改めて感じました。

橋本店はこの場所があったおかげで、仙台市以外にも広域の災害復旧に携わることができました。当時受注した件数と言うのは平時では考えられないもので、皆さん寸暇を惜しんで働いていたそうです。

そんな中、携わることになった亘理町荒浜の仮設店舗。大変なスピード感で作られました。もし、点検して不備があればやり直しになり、さらに時間がかかってしまうので、速さと共に正確さも絶対条件だった工事。

どうしてそんなに急いで、年内に引き渡してほしかったのか、当時、鳥の海ふれあい市場の理事長だった菊地さんにお話を聞いて納得しました。

「亘理町のお正月には魚が欠かせない。だから年内にお店を開いて届けたいんだ」

菊地さんがこう話した瞬間、スタッフ全員が同じタイミングでうなずきました。

橋本店の皆さんは、待っている荒浜の店舗の皆さんのために、そして菊地さんはじめ荒浜のお店の方々は、待っている地域の皆さんのために…

予定通り工事を完了させた橋本店から引き渡しを受けて1週間、「鳥の海ふれあい市場」は仮設店舗で営業再開します。わずか1週間でオープンできたのも、店舗に入れる棚、冷蔵庫などは事前に菊池さんたちが自分たちで準備しておいたから。

それぞれができることをやって、待っている人に早く届けたい。そんな思いが、あの時、現場にあったのだろうということを強く感じました。

橋本店では、こうした震災の経験を社内で共有し、発信する活動も行っています。橋本店のHPでは震災での取り組みも記されていますので、ぜひそちらもご覧になってみてください。

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