3.11伝承ロード 未来への轍

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取材後記

福島県いわき市

東日本大震災の地震発生時には四倉港の現場からいち早く避難、
すぐに避難所への物資輸送、ガレキ撤去と間髪を入れずに地元の復旧にあたった。
液状化現象で被害を受けた上仁井田ポンプ場の復旧では、地元住民の強い期待の中、
難工事を成し遂げたことが印象に残る。
その後も2019年の台風19号で決壊した夏井川の災害復旧工事に従事、
まさに水との戦いを続けている。

堀江工業(株) 川﨑敬三

ナビゲーター:宮田敬子

※放送終了分のラジオ番組音声は以下からお聴きいただけます。

取材後記

ナビゲーター
宮田敬子

自然は常に人間の想像を超えてくる。そうした事態に対処するためには、ありえないと思える策も講じなければならない…

今回川崎さんのお話を聞いていると、自然災害と戦うためには、常に今までのやり方をアップデートしていかなければいけないのだと感じました。

東日本大震災による液状化で破損してしまった上仁井田ポンプ場。ポンプ場がある四倉地区は昔から少しの雨でも浸水してしまい、安心して住むためにはポンプ場は欠かせない存在でした。だからこそ、たとえ修理している間でもポンプ場を止めることができない。

そんな中で川崎さんたちが行ったのが、水を流すために建物の壁に穴を開けてしまうというものでした。破損部分を治す間の、別の水路を確保したのです。しかし急遽開けた穴です。大雨でゴミが流れてきても、それを取り除く機械などあるはずもなく、川崎さんたち職員が夜通し取り除く作業に当たっていたそうです。その作業の甲斐あってポンプ場は早期復旧することができ、地域の方も再び安心して住むことができるようになりました。

土木工事の現場は、建物を造るということだけでなく、安心を提供しているのだと改めて思います。現在川崎さんが現場監督をつとめる夏井川は白鳥の飛来地で、川を望む景色も美しく、住民にとっても自慢の場所だったそうです。しかし、台風による大雨で浸水してしまうと、ここに住み続けることに不安を覚えます。また街に新たな人もやってきません。

ではどうすればいいのか…。河川の堤防はこれまで土堤が原則とされてきましたが、2019年の台風19号では全国で140か所以上の堤防が決壊したそうです。その結果、各地で新たな堤防が求められ、川崎さんは夏井川の堤防のコンクリート化の工事を現在も行っています。

自然を前にすると、鉄壁の守りはありえないのかもしれません。それでも、街の安心を守るために何ができるのか。常に考える続ける姿を見せていただきました。

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