家内安全・無病息災等を願い行われる小泉の水祝儀。地区に居住し始めた夫婦が、地区の人々が座った状態で向かい合い手を取り合ってつくる鳥居をくぐりながら祭壇へ向かい、神前で組織への加入を認めてもらう「鳥居くぐり」と呼ばれる儀礼や、道祖神の胴上げ、また参加者の額に墨で「水」の文字を書き合ったり、直会のあとに地域の家々を回り、柄杓で屋根に水をかけたりする行事などが主な見所である。
神事は日が暮れるまで行われ、参加者は数々の試練を乗り越えながら地区の人々と交流、特に夫妻は儀式を通して地区の一員として認めてもらうこととなる。
かつて県内各地で行われていた「水祝儀」だが、加美町の「小泉の水祝儀」は、今なお旧態のまま伝統を引き継いでいる。