□■何が悪い
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に構想中の物語「八犬伝」を語り始める。
「勧善懲悪」をテーマに里見家にかけられた呪いと戦うために八つの珠を持つ八人の剣士が運命に導かれるように集結し、過酷な戦いの旅に出る物語だ。北斎も魅了されたその物語は人気を集め、異例の長期連載となる。
しかし、物語がクライマックスに近づいた時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘・お路から「私に書かせてほしい」と申し出が。お路の熱意に動かされた馬琴は、口述筆記で物語の続きを書き始める。
苦悩と葛藤の末に、失明しながらも、28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとはー。