「石巻・割烹 滝川」
石巻市 「割烹 滝川」 阿部司さん
輪島市 「藤八屋」 塩士純永さん
増子華子アナウンサー 取材リポート
石巻市中央、旧北上川の近くにお店を構える「割烹 滝川」。今年で創業110年を迎えるこのお店を継ぐ4代目の阿部司さんは、6月に能登半島地震の被害を受けた石川県輪島市の避難所で仲間たちと共に炊き出しを行い、うな重200食を振舞った。
阿部さんと輪島市との繋がりは東日本大震災がきっかけ。被災し受け継いできた輪島塗の重箱や器を失った阿部さんのもとに、輪島塗の製造・販売を手掛ける「藤八屋」から重箱が届き、2年後に営業を再開することに。その「藤八屋」も今年1月の能登半島地震で発生した輪島朝市の火災で本店が全焼。6月の炊き出しではその時受け取った重箱にうなぎを詰めて避難所で振る舞い、塩士さんともお話をし、重箱の修理を依頼。料理人として道具や食器に対して、こだわりを持っている阿部さん。漆塗のすばらしさを実感しているから10年先、20年先も使い続けていきたいと話された。
「南海トラフ地震」
東北大学災害科学国際研究所 教授 今村文彦さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
今月8日に日向灘を震源として起きたM7.1の地震を受けて発表された「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」。今月15日には大地震などの異常な現象が観測されなかったとして呼びかけを終了しましたが、改めて「南海トラフ地震」がどのような地震なのか東北大学災害科学国際研究所教授の今村文彦さんに伺った。
最大規模の地震と津波が発生した場合、人的被害は32万人、経済被害は171兆円、長期的な経済の影響は1400兆円という想定で、静岡県から宮崎県にかけて地震や津波が発生すると考えられるが、一方宮城や東北での影響は少なく、長周期地震動による揺れでマンションのエレベーターが停止することは考えられるとのこと。直接被害がないので支援や物流、経済の面で支えるために備えることが大切だと今村教授は話した。