当山には、約500頭の鹿が生息していますが、この内の境内周辺にいる約15頭の雄鹿を、多数の勢子により取り押さえ、角を切る勇壮な行事が盛大に催されます。我が国では金華山と奈良だけの大変珍しい行事です。
金華山で行われる唯一の格闘技、[鹿の角切り]をご紹介しましょう。
鹿の角は牡鹿だけに生えるもので牝鹿にはありません。
毎年、早春の2月頃から5月頃には古い角は落ちてしまいすぐに新しい角がはえ始めます。
その頃の角は柔らかくうぶ毛で覆われていて「ふくろ角」と呼ばれていますが数か月もすると数十センチにも伸びて先端は先鋭化し立派な角になります。
発情期になると境内地付近にいる特に「人慣れした牡鹿」の中には、この立派な角で人に危害を加えることもあるのです。
そこで、毎年10月初旬にはるばる石巻近郊から駆けつける「鹿友華角会」と黄金山神社職員が牡鹿と対決することのなります。
装束は神社の社紋入印半纏、地下足袋、鉢巻姿、手には「十字なげ縄」で勇壮活発に行われます。
※観覧無料