JNN三陸支局から西島佐知浩記者
南三陸町の新庁舎が完成。辞令交付式も行われ、今日から新たに44名が町職員となる
仙台市内、丘陵地被害の現状と課題
ゲスト:庄子敏子さん(青葉区折立)
リポート:多田勇太記者
東日本大震災で仙台市内では4000ヶ所を超える宅地で地滑りによる被害が出ました。庄子さんがお住まいの折立地区では地滑りによって40戸の宅地が被害を受けました。今では7世帯が住み続けていますが、多くの人がこの地区を離れました。
なぜ折立地区は被害が大きかったのか?宮城県の住宅供給公社が約40年前に折立地区の造成を行いましたが、当時は宅地造成規制法の制定前でした。もちろん当時の基準は満たしていますが、現在の基準から考えると造成が荒いことが被害拡大のひとつの要因とされています。
今後の折立地区はどうなるのか?2月に住民を対象にしたアンケートが行われ55世帯が回答。元の場所での生活希望が53.8%と過半数を超える一方で、移転を検討する回答が21.2%、どちらとも言えないが19.2%となりました。
仙台市では元の場所で生活したいと選択した人が過半数を占めたことから、現地復旧の方針を固めています。先月末から測量調査が始まり、様々な手続きを経て10月下旬には着工の予定、そこから1年~1年半での完了見通しです。
しかし、住民の方々には金銭面での不安が拭えません。くい打ちや地下水を抜くなどして地盤を安定させるのですが、全体の対策に関しては個人負担はないものの、擁壁工事は1割が個人負担。それ以外の部分、新たにローンを組んだ際の利子の補助、家屋下の地盤補強や建物のジャッキアップなどは基本、個人負担です。
工事を終えれば安全に住むことが出来ますが、丘陵地にお住まいの方たちの不安は尽きません。