JNN三陸支局から小笠原悠記者
復活した気仙沼の洋菓子店「ブリアン」について
塩釜市 小さな絵本図書館「うみべの文庫」 取材リポート
リポート:菊地舞美アナウンサー
塩釜市港町、海がすぐ近くに見える場所にある図書館「うみべの文庫」は、長谷川ゆきさんがご自身で開いた私設図書館です。
長谷川さんは、自宅の1階部分に図書館を設けるための工事を始めるところで震災に遭いました。被害は大きく、建物の1階部分は柱だけになってしまい、津波で失った絵本は815冊。手元に残ったのはたった2冊。これらの絵本は長谷川さんが30年かけて集めたものでした。
30年かかったものをもう一度できるのか・・・長谷川さんの気持ちは切れかかっていましたが、避難所で知り合った方がインターネットを通じ全国へ長谷川さんのことを呼びかけました。すると、日本だけではなく世界各国から絵本が集まりました。長谷川さんは「これはもう自分の本ではない。全国、海外の皆さんからの預かりものなんだ。」と思い、これらを塩釜の子供たちに見せなければ、という責任感を感じました。
そこから自らを追い込み、図書館をオープンさせた長谷川さん。今では子供たちだけでなく、大人たちも集まるようになりました。本と子供だけでなく、本と大人をつなげる場にもしたい、と長谷川さんは話をしてくれました。
気仙沼市 コヤマ菓子店 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
以前にこの番組でも紹介した気仙沼のコヤマ菓子店に先日伺いました。津波で店舗が流されてしまいましたが、昨年8月に場所を変えて再オープン。この1年を店主の小山裕隆さんに振り返ってもらいました。
ガムシャラに奮闘してきた小山さん、何よりも大きかったのは家族や友人のバックアップ。1人では何もできないが、皆の力を合わせれば何でもできる。改めて、人のつながりの強さを感じた、と小山さんは言います。
店のメニューの半分は小山さんが震災後に考え出したもの。「はまぐりもなかクッキー」をはじめとする特徴のある商品を通して、気仙沼を発信していきたいと考えています。
そのような志を持った人たちの集まり、気楽会に所属をしている小山さん。会では月に1回「人巡りツアー」というものを開催しています。港周辺を半日かけて、地元の人と一緒に歩くというものですが、美味しい食べ物や美しい景色だけでなく、土地や人の温かさ、ユーモアさを感じてもらうものです。気仙沼へ来てくれた人たちがファンになってもらえれば、と小山さん。店の再建と町の復興、2つの大きな目標に向かって活動は続いていきます。