TBC気仙沼支局 重富裕昭記者
被災地の受験生に人気の合格グッズについて
仙台市若林区今泉 米農家 大友一吉さん 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
今年も加美町の中勇酒造で、津波で被災した田んぼのお米で作られた日本酒がまもなく完成します。この日本酒も3シーズン目。仕込み担当者もホッとする味と評価していて、去年は日本酒の鑑評会で賞を取りました。今年もこの日本酒の原料になっているお米「復興たんぼ栽培米」を作っている大友一吉さんを訪ね、改めてお話を伺いました。
去年の作付面積は前年と変わらず震災前の80%。好天に恵まれたこともあり収穫量は平均並み。そして、今年の作付で震災前と同規模にしたいと大友さんは話してくれました。田んぼの除塩作業には特別支援があるわけではなく、ここまで復興できたのも大友さんが個人で積極的に除塩を行ったからです。
それでも土の問題が依然として残っています。何十年もかけて育ててきた土はそう簡単には元に戻りません。特に畑は田んぼと違い、水を入れて除塩することができません。それに農地だけでなく、津波で農機具を流され、作業を進めたくてもできないという問題もあります。大友さんの周りでは震災前の状況に近づいている農家もいれば、作付もままならない農家の方もいるとのことです。
これだけの津波被害を受けても大友さんの熱い気持ちは決して衰えません。現状に決して満足せず、より良い、より美味しい米や野菜を作る。この強い意志が復興を支えています。そして、自ら作ったお米の日本酒の完成を今か今かと楽しみにしています。