「宮城教育大学311ゼミナール」
塩入未央アナウンサー 取材リポート
宮城教育大学で2019年に自主ゼミ「311ゼミナール」が発足。学年問わず有志の学生たち70人ほどが集まり、震災・防災の学び、被災地の視察などを行っている。将来教員になったとき、こどもたちに伝え継ぐことを目的としている。
2月8日にグループごとに学びを発表する報告会が行われた。今回は「原発被災と教育班」グループをご紹介。東京電力福島原子力発電所の視察、原発事故に伴い全町避難地域となった双葉町の小学校、役場の視察を通して、学んだことや感じたことを発表。学生は、「起きた災害のことだけでなく、未来に向けて活動をしている人がいることまで伝えていくことが大事だと感じた。そこも伝えられる教員になりたい」と話した。
「「石にこだわる」雄勝硯職人」
石巻市雄勝町 エンドーすずり館 遠藤弘行さん
松尾武アナウンサー 取材リポート
600年余りの歴史があるといわれる硯の産地、石巻市雄勝町。硯職人・遠藤弘行さんは「エンドーすずり館」という硯直売店兼作業場を営んでいる。
独立して直売店をつくって30年を過ぎ、「硯職人として脂がのってくる」と実感した時期に東日本大震災が発生。お店は海から10mもないところにあったため、津波によって流失。道具も失った。高台にあった実家も流失し、その跡地に仮設で作業場、直売店を建設。発災から1年を前に硯づくりを再開した。コロナ禍には電話注文、ネット販売をスタートさせ、受注後にSNSで下絵を見せてから作業に取り組むという、新たな試みも行った。現在も仮設の作業場、直売店を使用している。「後継者がいればしっかりした建物を建てたいが、何年できるか分からない状況」と語った。