石巻市 仮設住宅南境第7団地 大内 勝さん
「いま、そして今後」
リポート:林 智子アナウンサー
震災から4年9カ月、県内の「プレハブ住宅」は1万1,000戸あまり、お住まいの方は2万5,626人です。大内さんは震災時働いていた水産加工団地で被災、家族は全員無事でしたが自宅が流され、2部屋にキッチン・バス・トイレの間取りの仮設住宅に移りました。現在奥様と2人暮らしです。現在お住まいの南境団地、かつては500世帯が暮らす県内最大規模の仮設住宅でしたが、今入居しているのは約半分だと言います。
今後別の仮設住宅から人が移ってくるかもしれない、集約されるかもしれないという話もあり、現在住宅の一斉点検が行われています。そこで懸念されるのがコミュニティの再編です。震災後すぐの様に1からスタートするということを考えると心配だという大内さん。大内さん自身は、災害公営住宅の抽選に落ち続けていて今後の生活にも不安がありますが、宮城県内に仮設住宅がなくなるまで今後も「仮設住宅の世話役」を努める事となりそうです。
来年還暦を迎える大内さんの今の楽しみは中学校の同窓会。色々ありますがそうした楽しみがあるのも、「あの時生きた証」と話してくれました。
亘理町の農業の今 JAみやぎ亘理 総務部 中山さん
リポート:藤沢智子アナウンサー
亘理の農業といえばいちご。町のいちご団地も整備され収穫量も戻ってきているようですが、実際畑はまだ地下水の塩分が抜けず、水耕栽培を続けています。
水田も、1800ha分は国の補助事業として9割が復旧する見込みとなっています。担い手も増え、個人・集団で面積を大きく稲作作りをやっていこうと前向きの状況です。
さらに沿岸部のいちごの畑だったところは、路地野菜を作る法人事業をJAが手助けし、新たに農業法人として発足。今年は玉ねぎの収穫を増やしたということです。もともと亘理町では野菜を作るということはあまりなかったのですが、技術提供や指導により新たな農業を亘理町から発信していこうとみなさん、力を合わせて頑張っています。
メンバーは地元で被災し農業を離れた方や、いったん農業をあきらめた方、新たに農業を始める若者まで幅広い年齢で構成され、亘理独自の農業をはじめようという活気にあふれています。
今後は仙台市場のみならず全国の市場へ売り出していくということです。今後亘理町の名前が入っている野菜を見つけるのが楽しみになりそうですね。