山元町の砂金政宏(いさごまさひろ)さん 常磐線開通に期待
林 朝子アナウンサー 取材リポート
現在、山元町で復興状況をオリジナルの新聞で発信する活動を行っている砂金政宏(いさごまさひろ)さん。
震災当時は、山の裏まで逃げたため津波の様子はみることはなかったのですが、あの日から5年半…避難場所から自宅までの戻り足に見た街の様子が忘れられません。今でもあの光景を見て呆然としてしまったことが思い浮かびます。
砂金さんはその後、JR浜吉田駅近くのアパート(みなし仮設住宅)に住みながら3年半暮らしてきました。
自宅のあった場所(地区)は海から800mの場所にあったため、災害指定区域に指定され、住宅の新築が禁止されています。ただ、住み慣れた自宅に戻りたい気持ちが強くその後何とか再建を、と考えましたが、新築費用の見積額1500万円を提示され、その金額に驚き、砂金さんは自分で自宅を修繕して直す道を選択しました。元々あった家を修繕して住むことができたためです。
そんな砂金さんの住む地区から常磐線の新しい駅を挟んで西側(内陸側)には「常磐線 山下駅」は、新設されて街に立派な「駅」ができました。常磐線山下駅は、震災前よりおよそ1キロ内陸に再建され1階建てから2階建ての駅舎に生まれ変わりました。山元町は新市街地が常磐線「新山下駅」の西側に学校や住宅が立ち並ぶエリアとなり仮設住宅から移り住んだ人が新たな生活を始めています。
まだまだ人々の交流が少ないと感じていますが、旧市街地と新市街地が共存してこれから盛り上がっていければよいだろう、と思っています。
震災から5年9カ月後の12月10日に、JR常磐線再開(吉田駅~福島県の相馬駅まで)が予定されています。2011年の震災で止まったままだった常磐線の再開に期待が高まります。
電車が走るのが当たり前だったあの日の山元町の景色がよみがえります。
仙台市若林区「ReRoots」広瀬剛史さん
リポート:伊藤晋平アナウンサー
2015年12月、地下鉄東西線のオープン時、地下鉄東西線「荒井駅」で地域の農家の方から仕入れた稲藁を利用した「藁アート」が披露されました。あれからおよそ8カ月。「ReRoots」の代表、広瀬剛史さんを再訪しました。
「ReRoots」の活動は地域に根差し、営農再開や地域おこしまでのサポートの継続活動を行っています。「復旧から復興、そして地域おこしまで」と、地域をサポートしている「ReRoots」では、震災から5年半たった今も尚、ボランティア活動を志望する仙台市内の学生たちと一緒に行っています。
年月の経過とともに世代交代も進んできていると感じていますが、嬉しいことにボランティアOGやOBの中から、学校を卒業したら農家を目指す学生も出てきたそうです。メンバーの意欲(気持ち)は向上し、若林区の農業経営者にも受け入れられ、今まで以上により深く関係を結ぶことができているそうです。
しかし「若林区の農業復興」という面では、震災後若林区の農業も大規模農業化の動きが進み、一見すると震災からの復興が進んでいるように見えるようになりましたが将来を見据えると、まだまだ課題が残されています。
広瀬さんは、今後「ReRoots」から農業生産者(プレーヤー)を排出すること、販路を拡大すること、ファンを増やしてもっともっと収入に結びつくようなサポートをしていきたいと考えています。農業後継者を増やし、若林区の農業を盛り上げていこうと考えています。
※農業を活かした策を練る、コンセプトのイベント 「藁アート」は現在、仙台農業園芸センターでも展示されています。