家業を通じて町の未来を考える
取材リポート:佐々木淳吾アナウンサー
南三陸町の蒲鉾店「及善蒲鉾店」の若き担い手、6代目及川善弥さんにお話を伺いました。関東の大学で水産系の勉強をした後、4年前に実家に戻って家業を継いだ及川さん。震災で自宅や店舗、工場が被災してゼロからのスタートとなりました…もちろんかまぼこは作れない状況で、震災後すぐは魚卵を仕入れて販売することからのスタートです。南三陸町の高台から変わってしまった景色を父親と二人で見下ろした時、「俺はかまぼこを作ることしかできない。おまえは他の地にでて職を探せ」と言われたこともありました。しかしいつかかまぼこづくりを復活させるんだ、という親子の共通の思いが、早期の再建を実現させる原動力になりました。
登米市内に工場を再建した及善かまぼこ店は、復興商店街「南三陸さんさん商店街」に店舗を構えています。再建の嬉しさは今でも忘れられませんが、月日が経過するたびに商売の難しさを感じます。愛する南三陸で悔いの残らないように生きていきたいとの思いと、新工場を南三陸で再出発させる目途がたち、町のためにがんばる、という目標のもと今日も仕事に精を出します。
語り部女子高生 宮城第一高校 齋藤まやのさん
取材リポート:伊藤晋平アナウンサー
スタジオゲスト
まやのさんは、TTT「TUNAGU Teenager Tourguide of NOBIRU」という団体で野蒜地区の震災当時の様子を伝えるツアーガイドをしています。今は様々な場所で当時の経験を伝える講演をしています。
震災当時小学校6年生で野蒜小学校で被災しました。その日は学校の防災訓練で習った着衣水泳で自分の身を守り助かりました。この経験をもとに高校生になって誘われたツアーガイドとして話をするようになりました。当時は震災当時の話を同級生に話さなかったというまやのさん。同学年の友だちとの温度差に少し嫌悪感を持っていたからだそうです。その後徐々に当時の様子を話せるようになり、友達に「話してくれてありがとう」といわれ、隠さなくてもよいんだという気持ちになりました。
現在高校3年生のまやのさんの夢は、教員になること。震災を語り継ぐことによって震災の記憶や防災についてをしっかり子どもたちに教えていきたいそうです。
※本日は、都合によりUstreamの配信はありませんでした。