石巻婦人防火クラブ 佐藤君子さん(71)
佐々木淳吾アナウンサー取材リポート
石巻市雄勝町 佐藤君子さん(71)は、地域の防災活動に尽力し、東日本大震災発生から今もなお地域の防災活動に尽力しています。
震災当日、石巻市に出かける予定だった佐藤さんご夫妻は、牡鹿半島の高台桑野浜にある自宅で被災します。強い揺れがおさまるのを待ち、みんなが避難している一時避難場所に婦人防火クラブ会長として向かいます。崖崩れのため、一車線になった道路を走り、二次避難場所の高台にある大須小学校へ向かいました。そこから避難所生活が続きます。
多い時は700人以上が避難した大須小学校では、婦人防火クラブ歴15年の経験を生かして避難所経営に携わります。子供も大人も立場が一緒の避難所で文句ひとつ言わず、手袋もしないでプールからトイレへ水を運ぶ子供のふるまいに心を打たれ、津波で自宅が流され自暴自棄になっていた大人たちに叱咤激励をしたこともありました。
そんな中、佐藤さん自身も震災から1週間以上、娘と孫の生存確認が取れず避難所で夜を過ごします。昼間は気丈に過ごしていましたが、実は布団をかぶって声を押し殺して泣いていたそうです。その後娘さんたちの無事は確認できましたが涙は落ちませんでした。
現在は公演活動等で忙しく走り回る佐藤さん。津波の恐ろしさを伝えるのではなく、避難所運営の経験から、いざという時の心の団結を伝えたいと話します。震災後、お年寄りが多く残った石巻市。婦人防火クラブの存続も解散するより、存続・継続を選択しボランティアを続けながら、クラブの後継者探しも始めました。
取材を通して、佐藤さんの責任感の強さ、リーダーシップ力などを垣間見ることができ、本当に貴重な人材だと感じさせられました。
南三陸古民家再生 高橋未來さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート
南三陸町に住む東京出身の高橋未來(みく)さんは、南三陸町で「夢のおもてなしのできる宿」、住まい兼民宿を探していました。その時一目ぼれした住宅が、今回お邪魔した南三陸町祓川にある古民家です。
自然豊かなこの地で古民家を修復しながら、夢の民宿経営をするために、ご主人と2人で過ごしています。2011年の8月にボランティアで訪れた南三陸町。もともと住んでいた住民の方とかかわり、出会いが忘れられずに、4年前に仕事を辞め南三陸町に移り住みました。移住後は観光協会などで仕事をしながら町の復興に協力してきました。
現在は、民宿オープンまでまだまだ作業が続きます。進捗状況は全行程の10%、作業は進んでいません。しかしのんびり南三陸のまちの皆さんとふれあいながらスローライフを満喫しています。南三陸町の魅力もSNSなどで発信しています。今後が楽しみですね。