石巻市乳幼児保育園 ミルク 園長 相原かよみさん
大久保悠アナウンサーリポート
人口が急増している石巻市の新蛇田地区に石巻市乳幼児保育園「ミルク」があります。大型ショッピングモールもほど近いインターを降りてすぐの場所にありこの4月から0~5歳まで合わせて60人を受け入れる認定保育園として開園しました。園児39人、保育士9人看護師2人、調理員あわせて16人が勤務しています。
ミルクでは、以前から「体調不良児対応型」の保育に取り組んできて、「石巻で働きながら子育てをする親御さんの力になりたい」という思いが強く、保育中に体調不調となった子供を保護者が迎えに来るまで、看護師が保育士さんに代わって保育するというものです。この体調不良児は2日以上預かれない、というルールがあるため、5月から「病児・病後児保育」に本格的に取り組むことになりました。現在は病気、または病気の回復期、感染症のお子さんがいた場合を含めて部屋も増やして整備しています。
園長の相原さんは、震災時、認可外保育園「あいはら」を経営していました。門脇という地域だったため、震災当時は園児を保護者に引き渡すまで4日ほどかかりました。防災意識の高い保育士、保護者も決まりを守り全員無事だったそうです。
震災後は、危険区域に指定されたため保育園は閉園となりましたが、今、震災前からずっと一緒に働いてきた保育士さんたちと一緒に新たな場所で再開しました。新蛇田地区は、新たに家を新築する人が多く、3世代で同居している家族が多いそうです。子どもたちもおじいちゃんやおばあちゃんが好きな子供が多く、地域では今後、一人暮らしの高齢者の方と一緒に運動会をしていく予定もあるそうです。保育の現場が、新たなコミュニティになるように今後も地域の方々と連携していくそうです。
みやぎ手打ちそば研究会 柏倉寛充さん
伊藤晋平アナウンサー
みやぎそば打ち研究会とは、震災後に発足した会でそばを通して、被災地や地元みやぎに元気を届けよう、取り戻そうと活動し、研究会は今年で7年目に入りました。
震災後は、趣味のそばづくりをなんとかいかそうと、仲間と仮設住宅をまわってそばをふるまったり、そば打ちのパフォーマンスをしたりなどして、地域貢献を行ってきました。震災後7年目を迎え、目に見える復興は進みましたが、被災された方の心の部分には、まだ深い傷が残っていることを感じたそうです。毎年、継続して仮設住宅や集会所などをまわっていくと、その感覚をいまだ肌で感じることがあります。
現在、「そば」は日本にとどまらず世界の共通語としてとらえられています。柏倉さんの研究会も海外でのパフォーマンスのためにキューバ、アメリカへ向かいました。海外でのそば作りは、水の硬さや気候によって日本とは全く異なる仕上がりになってしまうため、場所毎に「そば」に向き合っていかなければなりません。この難しさもそば打ちの魅力ととらえ、奥深いそば作りを心掛けていきたいとお話しくださいました。
宮城県も、秋保地区で地元産のそば粉と水にこだわってつくる特産品「そば」を地元の目玉として売り出していく予定です。おいしいそばを食べたくなったら秋保へ、とみんなが思ってくれるような聖地にしていきたいとお話ししてくださいました。