石巻市 高橋力蔵さん
佐々木淳吾アナウンサー取材リポート
高橋力蔵さんは震災時石巻市で配管業を営んでいました。今高橋さんの工場には震災で折れ曲がった標識や津波で壊れた製品が多くあり、震災後に集めた廃棄物、震災遺物を利用してみんなにみてもらう、という活動を行っています。今も南浜町や津波に襲われた地区をまわり、遺物を集めています。そこで「頑張った人たちの証=がれき」を工場できれいにして保管しています。
がれきは今は「がれき」として扱われていますが、震災前は人が生活していた中にあったバス停や標識など大事な必需品であり、その遺物を「がれき」として処分したくない、という気持ちがあるからです。がれきが草に覆われて土にかえっていくのはあっという間で、その津波の威力を目で見てわかってもらうことでその日を忘れてほしくない、と高橋さんは願っています。
映像や言葉ではなく、高橋さんはモノで震災をみてほしいということで、連絡をすれば見学ができます。連絡先は0225-93-5418、石巻市 高橋力蔵さんまで。
海辺の図書館 仙台市若林区荒浜 庄子隆弘さん
林田悟志アナウンサー取材リポート
海辺の図書館は、震災前の生活や文化を元住民から聴いたりしながらの「まちあるき」や、波の音が聴こえるベンチで読書や楽器の演奏をしたり、石窯ピザ作りやBBQを楽しんだりすることが、“本を読むように”体験できる図書館です。庄司さんは生まれも育ちも荒浜で、図書館の場所は生まれ育った場所にあります。海辺の図書館は、小説家村上春樹さんの本からヒントを得て、その物語を作る場所として作ったそうです。
今まで、何気なく過ごしてきた場所で新たな発見や出会いがあることが単純に楽しいということで、震災後地元荒浜を考える良い機会になりました。自然の魅力、荒浜の魅力に引き寄せられて訪れる人たちとの交流、特に人とのつながりを大事にしています。この荒浜の魅力である砂浜で、海をバックに鎮魂の能楽を舞うイベントや荒浜再生を願う「荒浜REBORN」として荒浜の再生を目的とした海岸の清掃活動を行ったりしています。活動には外国人も参加しています。
震災から間もなく7年、庄子さんは荒浜地区へ今後戻られる元住民の方が、ふるさとへ戻った時に淋しい気持ちにならないよう気を付けていきたいと話してくださいました。いまも居住禁止区域ではありますが、荒浜の良さや自然をずっと守っていきたいとの気持ちからです。七ヶ浜出身の八巻さんもこのプロジェクトにかかわり「海辺の図書館」の活動の記録を続けています。