石巻市 元門脇保育所所長 千葉幸子さん
後藤 舜アナウンサー取材リポート
石巻市門脇保育所の千葉さんは、石巻市立門脇保育所の所長でした。現在は定年を迎えて保育所勤務はしていませんが、門脇エリアで語り部として活動されています。保育所は津波に流されてしまい、今は残っていませんが震災後は定期的に毎年数回、保育所跡を見に来るそうです。
震災当時は、0歳児から5歳児数人の児童の保護者がお迎えに来れず、保護者の代わりに急遽避難場所を指定の場所から変更して逃れました。千葉さんは子ども時代にチリ地震津波を経験し、その恐ろしさを深く記憶していたため、高台へ高台へと移動したそうです。これは、避難訓練時の「先生の言うことを守り、泣かないで落ち着いて避難する」と教えていたことも役に立ちました。
現在、この経験談を踏まえ、語り部として活動していくことには意味があります。今後、保育士になる人たちに向けて、子供は可愛いだけでなく「この子たちを守る」意識を強く教えていくことも大事だと感じて語り部活動を続けています。
丸森町 ひっぽのお店ふでいち 小笠原有美香さん
林朝子アナウンサー取材リポート
丸森町のお店ふでいちは福島県との県境、宮城県丸森町筆甫(ひっぽ)地区にあります。最盛期には3000人近くいた人口も今では580人。住民の2人に1人は高齢者という「限界集落」とも呼ばれるようになってしまいました。しかし千葉県出身の女性がこの山里の暮らしを守るため、今後も地区の住民が家族のようにつながっていける場所になるようにと町おこしが始まりました。
過疎と高齢化の町ということと、震災後の原発災害の影響で人口減少があり、お店も減ってしまいました。この地区から町へ出るには車で20分もかかってしまい、ちょっと不便な地域です。そんな背景から、小笠原さんは住民の皆さんと話し合いをたくさん重ねて、地域商店「ひっぽのお店ふでいち」お店をオープンさせました。
小笠原さんは、千葉県の出身で「養蚕の町、丸森町」に興味があり、10年前の大学生時代にはホームステイをして養蚕のお手伝いをしたこともありました。ホームステイ時期は、玄関先に野菜が置いてあったり、掃除を手伝ってくれたりとその人の温かさに触れ、感動したそうです。
震災のあと、丸森町で震災復興員を募集していたこともあり、2013年に恩返しの意味も込めて移住を決めました、そして震災から7年、今年の5月20日に筆甫地区にお店をオープンすることになりました。
丸森町の限界集落、筆甫地区に新しい笑顔溢れるお店があります。優しく穏やかな時間が流れていますので、みなさんもぜひ、近くに来た際は立ち寄りください。