気仙沼市歯科医師 菅原恭 さん
佐々木淳吾アナウンサー リポート
菅原歯科医院 副院長の菅原恭さんは、法医歯科協力医で、東日本大震災時の身元確認のため2011年の5月くらいから御遺体の歯形から身元確認作業に携わりました。法医歯科協力医とは、身元確認や死因究明のためご遺体の歯形から身元を割り出し、速やかに遺族に戻すために警察庁と連携して確認を行う仕事です。
気仙沼署では5人の歯科医が携わりましたが、遺体の損傷の激しさの中、極限の中、ご自身の限界を感じて辞退される歯科医師もいました。継続するのが困難であった程過酷な現場でした。また、ご遺体のカルテが見つからなかった方の照合は、できないという状況もありました。
命を助けるのが「医師」、ご遺体の尊厳を守るのが「歯科医師」という過酷な現場で、強い意志をもって身元確認につとめた菅原恭 さんをはじめとした医師の方々がいらっしゃったことに感謝し、また将来起こりうる大地震など災害に関し、法医歯科協力医が重要な役割であることを知ってほしいと思います。
全国地震動予測地図 今村文彦教授
根本宜彦アナウンサー 取材リポート
今後30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる確率などを色で示した「全国地震動予測図」の最新版が先月公表されました。この地図の見方や最新版の特徴、活用の仕方などについて東北大学災害科学国際研究所所長の今村教授にお伺いしました。
・地図の見方
全国の活断層や海溝型をすべて足し合わせたのが「全国地震動予測図」です。計算方法は断層の代表的な数値を入れてそれによって震度を算出し、そして地震の発生の確立評価を組み合わせてできました。ある特定の震源断層において地震が発生した時に、どのくらいの人口が揺れにさらされるかの人口分布を示すものもあります。
・特徴
千島海溝沿いの地震、四国地域の活断層、九州地域の活断層の一部が評価結果に取り入れられたのが、2018年度版の新たな長期評価結果です。
・活用の仕方
日本地図にある色分けを確認しましょう。黄色~オレンジ~濃い赤になるにつれて地震の発生、数値の大きい部分と少ない部分で評価されています。
宮城県では40年に1度くらいの頻度で大地震が起きています。長町・利府断層は首都圏よりは数値は低い評価となっています。しかし、地震がいつ起きるかはわからない、可能性が「ゼロ」ではないため、大小というよりも、以前よりも地震発生の可能性が低くなった「確率」を確認するためにも、一度この
「全国地震動予測図」に実際に触れてみて、それぞれ確認していくことが重要です。