仙台市KUWACHOCO 菊池柳秀さん
安東理紗アナウンサー取材リポート
仙台市若林区荒井で300年続く農家の13代目の菊地柳秀さん(75)。震災による津波で自宅や農地・農機具を失いましたが、翌年新たな取り組みとして桑の栽培をすることになりました。最初はとにかく津波の影響でがれきと塩水で農業を継続するのは難しいと思っていましたが、日本ハビダット協会の協力を得て、荒井の農家4軒が桑の栽培を始めます。
震災の翌年は75本桑を植えましたが、順調に成長し、今では2000本まで生産量が増えました。その桑は「桑の茶パウダー」として加工していましたが、幅広い層に桑を楽しんでほしいとの思いから、チョコレートの加工も行うことになりました。
この桑チョコ、販売委託を児童養護施設「子どもの夢ネットワーク」が行っています。チョコの包装などを施設の子供たちが手伝っています。そのアルバイト代は、そのまま報酬として子供たちが得ています。今後は施設にいる子供たちの社会勉強、収入を得る手段として役に立っています。
桑チョコは、青葉区に百貨店藤崎で2月14日まで期間限定販売です。是非お買い求めください。
石巻市のラーメン店 「浜よしのうまかべぇ~」大坂善万さん
後藤舜アナウンサー取材リポート
石巻市須江にある「浜よしのうまかべぇ~」大坂善万さんは、震災前に石巻漁港の近くで「浜よし」というラーメン店を営んでいました。妻のかよ子さんとともに二人三脚で作り上げたお店は34年間、地域の方に愛されてきました。しかし、2011年の震災で店舗と奥さんを失ってしまいます。
仮設住宅でひとりで過ごし始めた大坂さんは喪失感でいっぱいになり、お酒ばかりを飲んで食事もままならなくなってしまいました。その生活が原因で、体に異変を感じるようになったそうです。大坂さんはその境遇から逃れようと集会場へ顔を出し始め以前の自分を取り戻そうとします。自分ばかりと感じていた寂しさは、同じ境遇の方に出会うことで少しずつ前向きになっていきました。
その後、津波で失ってしまった「浜よし」の常連さんが後押しをしてくれて去年10月に震災から7年半を経てお店「浜よしのうまかべぇ~」を復活させます。昔から親しまれている味を求め、店を再開してからは以前の常連さんや地元のお客さんで活気づいています。
店の再開を亡くなったかよ子さんへも、もちろん報告しました。きっと天国で「頑張れー」と言ってくれているはずです。妻のかよ子さんのためにも今後は行列のできる店「浜よしのうまかべぇ~」になることを目標に、またラーメンを食べてくれた人がみんな笑顔になるように努めていきたいとお話ししてくれました。