南三陸町歌津 自然卵農園 大沼清功さん
安東理紗アナウンサー取材リポート
南三陸町歌津にある養鶏場自然卵農園は、田束山麓で養鶏をはじめて今年で7年目を迎えました。歌津生まれの大沼さんは東日本大震災時気仙沼で働いていましたが、歌津の自宅は流され、仕事は業務縮小に伴い解雇、避難所生活を送ることとなります。その後避難所生活中に娘3人が震災後「海をみたくない」と訴えたため一旦北海道江別市に移住しました。
移住先では「やりたいことは何か」を突き詰めた結果、大沼さんは「卵」に着目し養鶏の勉強を開始します。しかし、歌津のお父様が具合を悪くしたためまた南三陸町に震災後2年という短い期間で地元に戻ることとなってしまいました。2013年からは養鶏事業が本格化、奥さんが経営するクレープ屋で使用する程まで良い卵を育てることに成功し、現在も自然なスタイルで鶏を育てています。
さて、震災時に「海をみたくない」と訴えた娘のほのかさん、当時小学6年生だった彼女は宮城県の農業大学校を卒業し成人しました。現在は南三陸町の入谷地区で農業を始めています。栗の農園づくりを目標としクラウドファウンディングで事業費を獲得、自分の夢である農園を持つことになりました。まだ苗木の注文が済んだばかりですが、夢へ向けて1歩1歩近付いています。
震災後帰りたくなかった南三陸町でしたが、地元の方々にアドバイスなどをもらい、支えられ、親子そろって新たなチャレンジを楽しんでいます。今後とも、大沼さん一家を応援、取材していきたいと思います。