東松島市 清水畳店
佐々木 淳吾アナウンサー 取材リポート
JR仙石線矢本駅周辺で昭和14年に創業した「清水畳店」。現在店を切り盛りする清水好和さんはこの店の三代目。東日本大震災後、東松島市ならではの「あるもの」を使い、畳やグッズを制作しています。それは航空自衛隊松島基地所属の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」を縁のデザインに用いた畳。畳の新たな需要を掘り起こすために考えました。
畳店を継ぎ、震災を乗り越える中「やってみなければ物事はわからない」と心境の変化を常に抱えて来た清水さんにとって「ブルーインパルス畳」は東松島市という街を新たに知るきっかけになりました。畳の存在を知ったブルーインパルスファンが工場を見学したり遠く沖縄県から注文が入ったり…今では畳の縁をユーザーの近くの畳店に販売する形で国内の流通開拓に成功。他のブルーインパルスグッズを含め店の売り上げの3割を占めるようになりました。こうした経験を通して清水さんは他の東松島市の魅力を新たに発見していこうと日々歩みを続けています。「ブルーインパルス畳」は今、東松島市内の復興住宅や公民館、航空自衛隊の官舎などにも使われています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もありますが、新たなグッズの開発や通販サイトを充実し、この状況を乗り越えようとしています。
名取市 震災復興伝承館
古野 真也アナウンサー 取材リポート
名取市閖上に5月30日にオープンした「震災復興伝承館」。平屋建てで学校の教室よりふた回りの大きさです。入場は無料で後世に震災の記憶を継承していくために建てられました。展示は「ジオラマ」「パネル」「映像」の3つに分かれいます。ジオラマは名取川河口から2キロ内陸までの震災前の閖上地区を再現。実際にどの家がどこにあったかなど細部にわたり作り込まれています。パネルは「復興の歩み」を中心に構成。そして、洪水が起きた時の体験コーナーも設けられています。映像はこれまでとこれからの閖上について知ることが出来る内容となっています。
震災で亡くなられた方々に思いを寄せながら、風化を食い止め次の世代に伝えていく…世代を超えて防災意識を改めて認識し、より高めていくための施設として、数多くの人達に訪れてもらえればと思います。