エルパーク仙台 成田洋美さん
藤沢智子アナウンサー インタビュー
広報誌「パンジー~あの日生まれたもの」の取り組みについて、スタジオに成田さんをお招きしてインタビューを行いました。パンジーとは、東日本大震災後、リーダーシップを発揮して頑張っている女性にスポットをあて、彼女たちの言葉や姿勢を紹介している広報誌です。
「パンジー」は3月11日の誕生花で、花言葉は「私を想ってください、あなたを想います」だといいます。女性たちの想いを伝える、女性たちはいろんな人たちのことを想っているんだと伝える、そんな想いが込められています。
取材を通して感じたことは、女性たちの言葉の力はすごい、ということでした。東日本大震災でつらい経験をしたり、大切な方を亡くしたりしていても、それを乗り越えて頑張る姿・言葉を知り、自分たちも元気をもらえたといいます。こうした内容を広報誌として文字に残すことは大切だなと思います。
今回の10号の発刊で、パンジーは最終号を迎えます。区切りとはなりますが、地域のため、次の世代の子供たちのために、今後も別の形で伝えていきたいと成田さんはおっしゃっていました。読んだ人が背中を押される情報発信をこれからも目指すそうです。
強い思いを持って行動する女性がまだまだたくさんいることがわかり、自分たちも頑張らなければならない、と勇気をもらいました。
東松島市 のり工房矢本 津田清美さん
後藤舜アナウンサー 取材リポート
東松島市の特産品・海苔の製造、販売を行っている「のり工房矢本」を取材しました。のり工房矢本の海苔も、2011年1月には品評会で優勝し、皇室献上海苔に選ばれています。
現在工房は、大曲浜から4キロメートルほどの場所に位置していますが、東日本大震災前は海にほど近い場所に自宅兼工房がありました。津田さんはそこで被災をしましたが、いち早く避難をしました。それは震災前の経験から、万が一の想定ができていたからです。幸いにもすぐに行動したため、津波を見ることなく無事に避難をすることができました。しかし、1か月後に自宅跡地に戻るとそこに自宅はなく、被害の大きさを目の当たりにしました。大曲浜での海苔の生産再開は難しいと思っていた津田さんですが、二つの出来事が再開の後押しをします。
一つ目は、息子の大(ひろし)さんが海苔養殖を続ける決意をしたことです。大さんには、代々続く海苔屋をここで終わらせたくないという気持ちがありました。焼き海苔の加工を委託していたために、被災を免れた海苔があり、その海苔を求める人が多かったといいます。
もう一つは、その被災を免れた海苔を販売した際に、多くのお客さんが喜んで買われていったということです。仕事を始めたばかりの時にもそれが一番の喜びだったと、初心を思い出し、再開を決意しました。
2012年11月には海苔の生産再開にこぎつけ、これまで駆け抜けてきました。被災者としての苦悩も多く、立ち止まってしまいそうな時もあったそうです。それでも負けない、大曲浜の海苔を忘れてほしくない、美味しい海苔を食べてもらいたい、この思いは10年間持ち続けてきたといいます。強い気持ちをもって苦悩を乗り越え、食べるとどこかほっとする海苔を、これからも作り続けてほしいと思いました。