東松島市 青い鯉のぼりプロジェクト代表 伊藤健人さん
閃雷プロデューサー 千葉秀さん
野口美和アナウンサー 取材リポート
東日本大震災以降、毎年3月11日には、東松島市大曲浜で青い鯉のぼりが揚がります。この「青い鯉のぼりプロジェクト」の震災10年の歩みを取材しました。
プロジェクトの代表、伊藤健人さんは震災当時高校2年生で、家族4人を亡くしました。震災から数日後、自宅があった場所から、亡くなった弟が大好きだった青い鯉のぼりを見つけ、掲げるようになったのがプロジェクトの始まりです。その後、全国からたくさんの使わなくなった青い鯉のぼりが寄せられるようになりました。
幼いころから和太鼓を続けていた伊藤さんは、震災から2週間後、追悼コンサートで和太鼓を演奏してほしいと、和太鼓ユニット「閃雷」に依頼のメールを送ります。このメールを受け取った閃雷のプロデューサー・千葉秀さんとの出会いが、プロジェクトを大きく成長させます。
青い鯉のぼりを見た瞬間に、何か気づいて共感したり、たくさんの人との繋がりを感じることができたりするからこそ、孤独ではないことを実感できると、千葉さんは言います。青い鯉のぼりが、復興へのシンボルとなり、みんなの気持ちをひとつにしているのだと思います。
この青い鯉のぼりプロジェクトは、参加するひとりひとりが、1年間の気持ちをリセットする場であり、参加者全員のためのプロジェクトだと感じました。全国から集まった多くの青い鯉のぼり、それを見に来た人たち、和太鼓を演奏する方々を見てそう思いました。