関西学院大学 金菱清教授
藤沢智子アナウンサー 守屋周アナウンサー 電話インタビュー
関西学院大学・金菱清教授と河北新報社が、東日本大震災から10年を前に実施したアンケートについて、インタビューしました。
アンケート調査は、昨年11月~今年2月、河北新報社の記者が対面で、158人の遺族から、聞き取りを行いました。心の復興を示すアンケートではなく、生の声を聴く、内容を重視したアンケートです。各項目について、数値化することでみえてきたこと、があったといいます。
特に行方不明者の家族が、落ち着くことができないケースが多いということです。人が亡くなる場合、段階があって、死を受け入れていきますが、行方不明者の場合は、まだどこかで生きているかもしれないという思いを10年前から持ち続けているため、区切りをつけることへの罪悪感を感じているということです。物の整理や、携帯電話の使用料を払い続けるについても同様で、処分したりやめてしまうことへの気持ちの踏ん切りがつかないのです。
また、東日本大震災においては突然津波が来たわけではなく、地震が起き、時間が経って、津波が押し寄せました。その時の時間を振り返り、「あの時どのような行動をとっていたのか」「最後に何を考えていたのか」といったことが多く思われています。
私たちは、どれだけ想像力をもって考えることができるかが重要になると思います。東日本大震災だけでなく、最近ではコロナウイルスで亡くなられている方も多いです。「人を失う」ことへの向き合い方に正解はありませんが、しっかりと事実を受け止め、向き合っていかなければいけないと思います。