北大学災害科学国際研究所 教授 遠田晋次さん
東北学院大学 地域総合学部 政策デザイン学科 准教授 定池祐季さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
1993年7月12日、北海道南西沖を震源とするM7.8の地震が発生し、北海道・小樽や江差などでは当時の震度階級で5を観測した。奥尻島には地震発生後数分で、高さ最大およそ30mの津波が到達した。日本海側で大きな地震が起こると、数分で津波が来てしまう。地震発生後5分後の大津波警報が間に合わなかった教訓から、気象庁は1999年4月、地震発生から3分を目安に津波警報を発表できるよう迅速化している。遠田教授は日本海側で起きる地震の特徴の一つとして液状化も挙げる。
さて、東北学院大学・地域総合学部・政策デザイン学科・准教授の定池祐季さんは中学2年生のときに奥尻島で北海道南西沖地震を経験した。すぐに家族で車で地域の中で一番高い高台に避難。住民の方が無事に避難できたのは、地震=津波だと思いついた人が多かったこと、それを教えてくれた人がいたことがきっかけだったと定池さんは話す。その後1995年の阪神・淡路大震災を機に南西沖地震について考えることが増え、北海道大学に進学し、災害について研究するきっかけになった。地震の被災の経験を活かしたいと今年4月からは東北学院大学で教鞭を執っている。若い世代に災害を知ってもらいたい、普段身の回りで困っている人たちに目を向けてもらいたいと語る。今年、津波防災計画協議会の会長となった定池さんは、奥尻での震災の人々の経験、北海道胆振東部地震での厚真町の人々の歩みのほか、北海道の災害についてもまとめたいと話している。