一般社団法人 宮城キッチンカー協会 会長・佐藤幸弘さん
玉置佑規アナウンサー 取材リポート
新型コロナウイルスの影響で、よく見かけるようになったキッチンカー。一般社団法人宮城キッチンカー協会の会長、佐藤幸弘さんにインタビュー。宮城キッチンカー協会では、キッチンカー出店の紹介をし、売り上げの一部を協会に協力金として納めてもらい、そのお金で災害時に炊き出しを行っている。佐藤さんは東日本大震災発生時、地元である柴田町にいた。震災後に、閖上の方から避難所では冷たいものしか食べられなかったという話を聞いた佐藤さん。自分で何かをやろうと思い、茨城の豪雨災害で炊き出しを行ったが、一人でやることに限界を感じた。同業者の仲間とやればできるのでは思い、2017年にキッチンカー協会を立ち上げ、2年で加盟社を40社まで増やした。2019年の台風19号の際には、丸森町でキッチンカー2台で炊き出しを3日間行った。被災地で温かさを感じ、ウィンウィンだったと話す一方で、課題も見つかった。被災者が集まる公共施設で行う炊き出しは行政の許可が必要であり、SNSで情報を得られない人たちがどこでどのような炊き出しをしているかを伝えられなかった。そして佐藤さんたちの熱い思いが届き、賛同した自治体と避難所にキッチンカーが入ることができる協定を結ぶことができた。今後は全国に向けて横の連携を進めていくそう。佐藤さんは、いざという時に地域から頼ってもらえるよう、日頃から地域の人たちとの繋がりを大切にし、「毎日を災害が発生する前の日」という意識で活動を続けていきたいと話す。
太白区秋保町 音吉屋ふえ工房 音吉さん
鈴木美希ディレクター 取材リポート
仙台すずめ踊りでなじみが深い篠笛。篠竹に息を吹き込む孔と指孔をあけたシンプルな構造の横笛。篠笛を作り始めて50年を迎える音吉さんは、秋保に「音吉屋ふえ工房」を構えている。篠笛には、地域に伝わる独特な音色を持つ古典調、そして西洋楽器ともあうようにドレミの音階に調律されているドレミ調がある。古典調は郷土芸能に使われており、指孔の数も7つ、6つ、4つ、2つと地域によって異なる。音吉さんが篠笛を作り始めてから長らくドレミ調を一心に作り続けた。東日本大震災が音吉さんに転機をもたらした。生きている人たちの気持ちを奮い立たせるため、亡くなった人たちへの思いを込め、新盆にお祭りしたいと、古典調の篠笛の依頼が来たのだ。残っていた動画や話を聞きながら、模索して古典調の篠笛を作り始めた音吉さん。その後、各地からの古典調の製作依頼が来るようになった。現在、秋保を篠笛が聞こえる郷にしたいと、月に一度、秋保・里センターで「しの笛たいむ」というイベントを開催している。前半30分は篠笛の吹き手によるコンサート、後半30分は篠笛を吹く体験会を実施。次回は15日(土)午後1時を予定。