「ワンコインシアター『永訣』」
フリーアナウンサー 藤沢智子さん
命のかたりべ 高橋匡美さん
増子華子アナウンサー 取材リポート
10月19日、仙台市宮城野区の宮城野区文化センターで、3.11みやぎホットラインのパーソナリティーを長年務められていた元tbcアナウンサーの藤沢智子さんが朗読の舞台を開催。
「みやぶん ワンコインシアター」vol.16「永訣~あの日のわたしへ手紙をつづる~」。
震災から10年となった2021年に出版された同名の本の朗読。この本では10年前の「あの日」の私自身に向けた31人の手紙が綴られている。この本の中から、大沼えりさん、高橋匡美さん、雁部那由多さんの3人の手紙が舞台では朗読された。
石巻市南浜町で両親を津波で亡くした高橋匡美さんは、現在「命のかたりべ」として自らの体験を伝えている。震災後、被災した実家の整理をしている時に母親の日記を見つけた高橋さん。母の日記を読み、「もっとこうしていれば…」と引きずっていた高橋さんはあの日の自分に手紙を書くことを思いつく。高橋さんは両親に助かってほしいという心の叫びを手紙に綴った。
13年間被災地の取材を通して声を届けてきた藤沢さんは今回朗読を終えて、今回の本は胸の内を吐露している特別な本、震災ではなくとも大切な人を亡くしたりつらい経験をした人は同じような感情を持っているのではないか、これからも突然大変な目にあった人たちに寄り添えるような企画ができたらと話した。