「新潟県中越地震から20年」
元FM雪国パーソナリティ 滝沢和茂さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
今月23日でM6.8、最大深度7を記録した、新潟県中越地震から20年となった。
被災地のコミュニティFM「FM雪国」で当時パーソナリティを務めていた滝沢和茂さんに当時の様子や復興の経過、現在の課題などを伺った。
番組後の会議が終わり、片づけを始めていたところで地震が発生。局内は停電し、電話も通じない状況であったがスタッフが揃っていたため、すぐに特別番組の放送を開始。発生当初は情報収集に苦労したそう。電気は翌朝3時ごろに復旧、通常放送ができるようになったので、避難所の情報や支援物資の配布についてなどを中心に放送。それは1カ月ほど続いた。
地震によって山間部では地すべりや土砂崩れが多数発生。孤立集落が多く発生したり、川がせき止められ天然のダムができて民家が水没するところもあったが、排水や砂防ダムの建設など20年かけて着実に復興が遂げられていて、少しずつ元の風景に戻ってきている。
地震から20年が経ち、各市町村で当時担当していた職員が定年退職などで少なくなり、被災地の人口減少も進んでいるが、地震があったことや中越地方の良さや住みやすさも伝承していくことができればと滝沢さんは話した。
「インクルーシブ防災」
仙台市防災・減災アドバイザー 早坂政人さん
障がい者や高齢者など、あらゆる人を取り残さない防災の考え方である「インクルーシブ防災」。この考え方は2015年に開催された第3回国連防災世界会議で広まるようになった。
東日本大震災では被災地域の障がい者の死亡率が1.43%、これは健常者の死亡率の約2倍。災害関連死を見ても、障がい者の割合は24.6%と非常に高くなっている。
こうしたことから内閣府では2006年に災害時要援護者避難行動支援ガイドラインを策定。必要な時に必要な支援が適切に受けられれば自立した生活を送ることが可能な人々を「災害時要援護者」と定義。2013年にはさらに自力での避難が困難で支援を要する方を「避難行動要配慮者」と定義し、名簿の作成を進めている。
仙台市では2011年に「仙台市災害時要援護者支援プラン」を策定。要援護者の支援体制づくりや市民団体への支援として、災害時要援護者の情報を登録する制度を運用している。登録された情報は災害時にリストでまとめられ、町内会などに提供される。