国境なき劇団 野々下孝さん
大久保悠アナウンサー 取材リポート
演劇を通して震災から復興支援や演劇人同士の繋がり作りに取り組む、仙台シアターラボ主宰の野々下孝さんにインタビュー。野々下さんは大学入学後に演劇に出会い、卒業後も演劇に取り組み、2010年に仙台シアターラボを旗揚げ。2011年7月の劇団旗揚げ公演に向けて劇団のメンバーとけいこを重ねていたときに、東日本大震災が発生した。震災発生から15日後、野々下さんをはじめとする仙台市内の演劇人が劇団の枠を超えて集まり、支援に向けて動き出した。阪神淡路大震災を経験した関西の劇団のメンバーから阪神淡路大震災からどのような支援活動を演劇の分野でしてきたか、これまでの経験談などを聞き、参考にしながらできたのが、仙台の演劇人同士で生まれた団体が「ARCT(アルクト)」だ。現在は20人ほどのメンバーが所属している。被災でストレスを抱えているこどもたちと関わりながら、見守ってきた野々下さん。2018年には、演劇人同士の繋がりや支援の輪を繋ぐ取り組み、「国境なき劇団」という全国的な団体が誕生した。その中で、「四十七士プロジェクト」を立ち上げ、47都道府県にネットワークを広げ、次に起こりうる災害に備える事前復興に取り組んでいる。
演劇で身につけたコミュニケーション能力で、保護者や先生とはまた別の大人としてこどもを見守り続けている野々下さん。今後は発災時、復興支援についての話を聴く会を継続して行いたいと語る。