栗原市栗駒 「駒の湯温泉」菅原恵美さん
東北大学災害科学国際研究所 遠田晋次教授
栗原市花山村 早坂絹子さん
元くりこま耕英震災復興の会 会長 大場浩徳さん
2008年6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」から15年。M7.2の地震が発生し、栗原市、岩手県奥州市で震度6強、大崎市で6弱、仙台市でも5強を観測した。17人が亡くなり、6人が行方不明になった。特に荒砥沢ダム周辺で大規模な地滑りは、移動した土砂の量が7000万立法メートルに達し、東京ドーム56杯分に相当する国内最大級の地滑りとなった。
東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授によると、栗駒火山周辺には以前大きな活断層はなく、ノーマークの地域での地震だったとのこと。山の方で起こる直下型地震だったため、斜面の崩壊箇所は4000以上、それによって川を塞ぐ河道閉塞が発生。すると天然のダムができ、決壊しないように作業が必要となった。
栗原市は2015年に、貴重な自然遺産が残る公園「ジオパーク」としての認定を受けた。
被災地のひとつ、栗原市花山地区では土砂崩れが相次いで発生。2001年に当時の花山村浅布地区に移り住んだ主婦の早坂絹子さんは、地肌が見えている山々を見ると地震が蘇って気持ちが落ち着かないと話す。現在、高齢化が進んでいることを課題にあげ、コミュニティを大切にしていきたいと語った。
一方、栗駒山の中腹にある栗原市耕英地区は市街地に通じる道の路面が崩壊し、大きな土砂崩れで通行できずに孤立状態に。生業であるイワナの養殖や農業、観光などに大きな爪痕を残した。元くりこま耕英震災復興の会・会長の大場浩徳さんはイチゴの栽培をしていたが、避難を余儀なくされ、2年間農作業ができなかった。内陸地震以前は、イチゴの露地栽培をしている農家は7軒あったが、現在は大場さんのみ。
そして耕英地区では秋にイワナ祭りを開催していた。今年は久しぶりに観光施設「山脈ハウス」の前で小さく、イワナ祭りを行いたいと話す。