世界防災フォーラム代表理事 小野裕一さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
東日本大震災の経験を踏まえ世界各国の研究者が防災の課題や解決策を話し合う「第3回世界防災フォーラム」が仙台国際センターで来月10日から12日まで開催される。東北大学災害科学国際研究所教授で世界防災フォーラム代表理事の小野裕一さんにお話をうかがった。防災は「しなくてはならないこと」というレベルから「したいこと」になればよいと話す。「東北からBOSAIを世界に」をキャッチフレーズに、30のセッションや約100のポスター展示、防災技術の展示「World BOSAI EXPO」、仙台、名取、南三陸の被災地で震災の教訓や復興の取り組みを学ぶツアーを実施する。このフォーラムで、何か意識が変わってほしいと、という思いがある。小学生、中学生、高校生など若い人たちに驚いてほしい、被災された方には経験を基に役立っていけるようになればと期待している。
仙台市防災減災アドバイザー 折腹久直さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート
気象庁は今月1日、緊急地震速報の発表基準にビルの高層階をゆっくりと揺らす「長周期地震動」の予測を加える運用をスタートした。長周期地震動について仙台市防災・減災アドバイザーの折腹久直さんに話をうかがった。
長周期地震動とは、地震の揺れの周期、つまり揺れが1往復するのにかかる時間が長い、大きな揺れ。地震が発生した場所から離れていっても弱まりにくい特徴があり、状況によっては震源から数百キロも離れたような場所で大きな揺れになることもある。また、高い建物の高い場所が長く、大きく揺れやすいのが特徴である。
長周期地震動の階級3以上が予想された場合、緊急地震速報が発表される。高層建物の中にいる人に対して、強い揺れが来る可能性を知らせるために必要である。
高層の建物のエレベーター内で緊急地震速報を受信した際には、すべての階のボタンを押して、最寄りの階ですぐに降りてほしいとのこと。短周期・長中期にかかわらず、緊急地震速報を受信した際にとるべき行動は、自分の身を守る行動。テーブルの下、安全な場所で、低い姿勢で頭を守り、揺れが収まるまで動かないことが基本。