山元子どもミュージカル SENKOKUタイムスリップ
伊藤若奈ディレクター 取材リポート
先週に引き続き、7月24日(日)に上演された山元町坂元のふるさとおもだか館で第1回山元子どもミュージカル「SENKOKUタイムスリップ」の取材レポート。
今回は脚本を担当した小坂照美さんと、同じく脚本と演出を担当した佐々木久美子さんにインタビュー。脚本の前半部分を担当した小坂さんは今回初めて台本を書いた。子どもたちにアンケートをとり、単語をひとつでも拾いたいと、台本に組み込んでいった。脚本の前半には山元町で語り継がれる民話が描かれている。これは、山元町には民話がたくさんあるが、後継者がいない。民話を伝えていきたいという、小坂さんの思いからだ。せんこくんを登場させたのも小坂さんのアイデア。ミュージカルを通して、小さな家族から世界へ幸せが広がっていくのではないかと伝えたかったと語る。
主人公がタイムスリップをした後の部分の脚本と演出を担当したのが佐々木久美子さん。震災当時、山元町でヨガ講師をしていた佐々木さん。その教室に小坂さんもいた。今回ミュージカルを立ち上げるということでオファーがあった。第2の故郷のように大好きな山元町に恩返しをしたいと思っていた佐々木さんは快諾。争いがいつまでも終わらない中で、どうして戦争が起きるのか、どうしたらやめさせることできるのか。平和は家庭の中から生まれていくと考える佐々木さん。子どもたちが世界をつくっていく、おいしいものを一緒に食べるなどのシンプルなことが世界平和の礎だというメッセージを込め、脚本を仕上げた。演技指導では、子どもたちはとても正直で、気分がのっているとき、そうでないときがあり、難しさがあったそう。いかにして子どものいい顔、楽しさ、輝きを引き出せるのかを毎回考えながら指導。アドバイスを汲み取って、練習を積み重ねた子どもたち。本番を終えた佐々木さんは、子どもたちの歌声、笑顔、ダンスからパワーをもらって帰ってもらえたのではと語った。