丸森町
大槻博さんへのインタビュー
熊谷 望那アナウンサー 取材リポート
去年10月の台風19号の上陸から1年が経った丸森町で取材を行いました。以前ラジオカーの取材で出会った大槻博さんにお話を伺いました。大槻さんは斉理屋敷の近くで大槻サンゲという「素泊まりの宿」を営む他に、NPO法人「あぶくまの里山を守る会」のメンバーとして森林・生物の多様性を学ぶ講座を開いたり、里山の暮らしに触れてもらうためのワークショップなどを行っています。
去年の10月12日。新聞配達の仕事もしている大槻さんは、新聞配達に出かける夜中の12時半ごろに水害に巻き込まれました。すぐに高台に避難し、腰まで水に漬かりながらも消防団に助けられました。
朝になり、変わり果てた町の姿を目にした大槻さん。幸いにも大槻さんの営む宿には大きな被害はなかったため、すぐに炊き出し活動を始めました。1月からは被災した自宅で生活を続ける「在宅被災者」への支援として「まるもり屋台や」を始め、無料でラーメンを届けてきました。コロナウイルスの影響が大きくなる中だからこそ、在宅被災者の自宅を一軒一軒廻り、支援を続けています。
さらにこの夏、大槻さんは新たな取り組みとして、田んぼを始めました。街中田んぼと名付け、稲刈りは地域の子供たちと行いました。
大槻さんご自身も台風19号で被災しながらも、常に周りの人や地域のことを考えて、笑顔を増やすアイデアを実行されています。その原動力は、困っている人を助けたいという気持ちだといいます。
大槻さんの周りにはそんな思いに共感する仲間が集まります。大槻さんの周りにはいつも笑顔があふれています。被災者に目も向ける姿勢を持ち続けて、綺麗で癒しの里山を守り続ける大槻さんにこれからも会い続けたいと思います。