石巻市雄勝町
荒浜地区会長 高橋 輝雄さん
雄勝町渚伯推進協議会代表 阿部 久良さん
藤沢 智子アナウンサー 取材リポート
石巻市雄勝町中心部から車で20分。半島の北側、外洋に面した集落「荒地区」を先月取材しました。ここには地元の人達が慣れ親しんできた「荒浜海水浴場」があります。波が穏やかな日は透き通る波が寄せる砂浜が広がります。今年は震災後、ようやく海開きをする予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で再開を断念せざるを得ませんでした。
代々荒地区で養殖業を営む荒浜地区会長の高橋輝雄さんにお話を伺いました。今、荒地区に住むのは20世帯。かつての半分になってしまったそうです。東日本大震災の当時は道路が寸断され、避難を含めた移動に苦労したそうです。また、津波の影響もありましたが、昭和8年のチリ地震津波を教訓に地区の人達は高台に移転していたことで物資の供給など、地区で連携した助け合いながら日々を過ごしたということです。若い人達が地域に少なく、高齢者も80歳を超える方々が多いそうですが、未だ漁業を営んでいる方々が多いそうです。
遠浅の砂浜が続く「荒浜海水浴場」。震災前は県外、主に関東圏からの来客が多く、賑わいを見せていました。今年この海水浴場を震災後初めて運営する予定だった雄勝町渚伯推進協議会代表の阿部久良さんも子供の頃から慣れ親しんだ場所です。震災の津波で砂が流出したこの場所がようやく人が呼べる状態にまで戻っていた最中、新型コロナウイルスの影響で今年は海開きをすることが出来なくなってしまいました。高齢者が多い地区が故の悩みでもありました。指定管理者として運営の準備をしていた阿部さんですが、地区の人達の話を聞き、地元の人達の健康無事を思えばやむを得ない判断だったと理解しているそうです。当初、マリンレジャーを取り入れた過ごし方の提案を計画していただけに、ただただ残念と話していました。雄勝でも指折りの風景を持つ「荒浜海水浴場」を多くの人達に楽しんでもらいたかったそうです。そのためにも日々ボランティアの方々を掃除をしたり、地道な活動を続けてきました。新型コロナウイルスの感染が収束したら是非海開きをしたいということです。
これからの「荒地区」にどうやったら若い人達が身を寄せてくれるのか?高橋さんと阿部さんは周辺地域が手を携え、協力し合うことの大切さを胸に刻む日々を過ごしています。