亘理町 中国料理「万里」最上光三さん
藤澤智子アナウンサー取材リポート
亘理町荒浜にある中華料理の店 万里。店主の最上さんは仙台市内のホテルで総料理長を務めた後、震災の4年前に亘理町に万里を開きました。しかし、東日本大震災で店の天井まで津波が押し寄せたため、営業ができなくなりました。
その後、店の中にあった泥やがれきをきれいに片付け、8か月後の12月にお店を再開させます。現在店を始めて11年、自分を含め周囲のみなさんの高齢化が進み、自分自身がいつまで働けるか不安を感じながら過ごしているそうです。
最上さんは荒浜にあった自宅を(災害危険区域との境界線にあったため)取り壊し、今は復興住宅に住んでいます。自宅跡には食材を保管する倉庫だけがあるだけです。周りを見渡してもかつては住宅がびっしり立ち並んでいた場所にポツンポツンと再建した家があるだけで、8年経とうとしている今その空いた土地に新築の家を建てて住む人はほとんどいない状況です。
荒浜小中学校は、津波の避難を想定した新しい校舎ができていますが、これから生徒数をどう確保していくのかが課題です。荒浜の文化をどう守り継承していくかも難しい問題です。
孤立・孤独死を防ぎたい-映画完成
豊里コミュニティ推進協議会の佐々木豊さん・集落支援員の川谷清一さん
林朝子アナウンサー取材リポート
映画「ひとりじゃない」は、震災で妻と娘を亡くした一人の男性が主人公で、石巻市からひとり豊里に移住してきた設定の物語です。津波の犠牲になった妻が残した留守電を聴くことが日課で、地域になじめず孤立した男性がある出会いを通して少しずつ前を向き始める、という内容となっています。
映画のシナリオを手がけた集落支援員の川谷さんは、被災地での「孤独死」の現場に立ち会う経験がありました。その経験をつづり、いつか映画にしたいと思って4年前から自分のノートにメモを書いていました。
以前からずっと心の中で思っていた「孤立・孤独死を防ぎたい」という思い、被災地だけの問題ではない「孤独死」をこの映画を通して感じ取ってもらいたい、という思いが詰まったストーリーです。
ロケ地としてお店などの撮影場所の交渉を行った豊里町の制作委員長 佐々木さんは、大阪から来た撮影隊の胃袋を美味しい豊里の味でいっぱいにしました。撮影隊はその人の温かさや支えがあって映画が完成したと感謝しています。
現在映画「ひとりじゃない」は、希望者に無料で貸し出しを行っています。上映時間は40分。
お問い合わせは、豊里公民館(0225-76-2237)までご連絡ください。