気仙沼市 地福寺 片山秀光さん取材リポート
古野真也アナウンサー取材リポート
般若心経をジャズ風にアレンジして音楽説法を唱える気仙沼市の地福寺の住職片山秀光さんを取材しました。
「カッサパ」という震災を伝える音楽説法グループのボーカルを務めている片山さんは、ふるさとの人々を励まし、被災された人たちを慈しんで一日も早い復興をという思いを胸に活動しています。
震災当時、片山和尚は向洋高校に一時避難し、その後、家族とともに階上中学校へ避難。震災から2日後に地福寺に戻りましたが、岩井崎から約1キロ離れた場所にあった寺は全壊していました。寺があった階上地域の住民1,456人のうち178人が亡くなり檀家さんも151名が亡くなりました。そこで片山和尚は、亡くなった人の話を聞くたびに地震の果たす役割を考えるようになりました。
自身が被災者だったからこそ、震災直後はまず死者のもとへお経を唱えに行き毎朝その日の火葬の場所や時間を確認して手を合わせに行きました。遺体は安置所からあふれるほどあり、壮絶な光景だったといいます。知福寺の復旧に関しては遺骨を置ける場所を、とお願いしてボランティアの方々に整備してもらい、震災後4日後から復旧に取り掛かりました。
以前は、仏教の教えを説くための活動でしたが、現在は被災地の現実を語り歌う「語り部」として再結成、多くの人に東日本大震災を伝えるため、日本各地、海外ではサンフランシスコ、ハワイの団体にも声を掛けられて「めげない・にげない・くじけない」を様々な地域に出向いて伝えています。現在、健康上の理由で活動を休止していますが、「気仙沼で生きる」ということを、亡くなった方の思いを伝えることを使命として活動再開に向けて過ごしています。カッサパの「陽はまた昇る」という曲は、気仙沼の人たちは「海に生かされている」ということを伝え、音楽にのせて応援していきたいという証でもあります。