気仙沼市 民宿「唐桑御殿つなかん」菅野一代さん
古野真也アナウンサー取材リポート
22歳で唐桑の漁師宇野家に嫁いできた一代さんは、海の養殖の仕事をしながら3人の子供を育てました。今は民宿のおかみさんですが、もともとは民宿を生業としていなく、震災後に民宿「唐桑御殿つなかん」をはじめました。
震災時、唐桑にあった自宅は全壊、養殖業の船や設備はながされてしまい避難所での生活が長く続きました。そして津波にのまれた自宅を学生ボランティアに開放し始め、半年間で1,000人を超える学生たちが寝泊まりをしました。その経験が民宿つなかんをはじめるきっかけでした。
その後一代さんのご家族は2012年の冬、養殖業を再開しその同時期に被災した自宅を回収し民宿つなかんを開業します。しかし、2017年にわかめ漁に出かけた船が転覆し、長女が亡くなり、一代さんの旦那さんと三女の旦那さんが行方不明となりました。これをきかっけに養殖業を廃業することを決意します。大切な3人を亡くしたことで、自身の人生を見つめなおすこととなりました。
事故から4か月がたった時、たくさんの学生ボランティアだった子たちが集まってくれ「唐桑御殿つなかん」は再開、新しいスタートを切っています。つらいことだけではない、実家のような場所になれるような民宿を目指し、日々仕事に励んでいます。
「すずめ農園」鴇田美穂さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート
青森で仕事をしていた鴇田さんは社会人2年目が終わろうとしていた時期に、東日本大震災に遭遇しました。震災直後は実家の仙台に帰ることを決め、兼業農家をしていた自宅に戻り、【自然栽培】で農業を行うことを決意します。
社会人経験の中、食事の大切さに気付いた鴇田さんでしたが、実際に自然栽培で農作業をしてみて感じたことは、その手法での栽培が大変難しく、自分だけではわからないことが多い、ということです。しかし、仲間からのアドバイスや講演会に参加するなどして改善を重ね、現在は、里山の大事さ、そこで生きている生物など詳しく環境について勉強したり、さまざまなイベントを主催したりなどの活動も行うまでとなりました。
今後は、食と農にプラスして、鍼灸師の資格を取った実績を加え「医+食+農」ですずめ農園を活性化していきたいそうです。「楽しみながら自然栽培」するという心がけも忘れずに、今後も前進していきます。