石巻市石巻観光タクシー 語り部タクシー
古野真也アナウンサー取材リポート
石巻市でタクシーの運転手をしている石巻観光タクシーの高橋信悦さんは、震災当時の状況と復興の様子を話す「語り部ドライバー」をしています。会社の中では8人の語り部がいらっしゃいますが、高橋さんは震災後に語り部ドライバーとして、タクシーの運転手になりました。震災で仕事を失い、友人のタクシー運転手に、タクシーの収入が出来高制であることや自分の頑張りが反映されるシステムだったということもありこの仕事を選びました。
被災地の現状、思いを伝えていく必要があると感じている高橋さんは、復興する街をタクシー運転手として変化を主にお客さんに伝えています。震災から立ち上がってきた人の話し方や表情を肌で感じ、生の声で伝えることにやりがいを感じています。同時に伝えることは難しいと感じていますが、それぞれの思い、考えを被災者の一人として寄り添っていくことこそが、震災を学びに来た人に伝える第一歩だと考えています。
今後も、壊滅状態だった石巻の街が復興していく様子を、タクシーの窓から見つめ、被災した人と触れ合うことを日々続け、語り部タクシーとして1年後、2年後もずっと続けていきたいと話してくれました。
山元町普門寺 住職 坂野文俊さん
伊藤晋平アナウンサー 取材リポート
8月26日(土)に行われた「願い ふるさとまつりおかえりまつり」を企画した山元町普門寺 住職 坂野文俊さんは、震災後「お寺災害ボランティアセンター てらせん」を立ち上げて復旧復興に尽力されてきました。きっかけは、震災後普門寺を会場に無料のカフェ「てら茶坊」を提供したことがきっかけです。始めたころはお菓子を作ってコーヒーを飲みましょうというところから始まりましたが「工芸品の展示をしたい」「ワークショップを開きたい」など人が普門寺にどんどん集まってきて今があります。
坂野さんは場所を提供するだけでなく、ここをきっかけとして出会い、やりたいことの実現につなげていく場所を山元町につくっていきたかったそうです。それが現実になり、ここ普門寺は多くの人が集まる場所となりました。
8月26日に行われたお祭りも、予想外の多くのお客さんが訪れスタッフも一緒になって楽しむことができたそうです。山元だけでなく九州や秋田の豪雨災害にボランティアへ参加している坂野さんは、東日本大震災で助けられた、という思いのもとに学生ボランティアなどと連携して復旧のボランティアを今も積極的に行っています。