山元町 イマール・モンデ 石塚好彦 さん
リポート:伊藤晋平アナウンサー
山元町に「イマール・モンデ」をオープンさせた石塚好彦さん。東京でサラリーマン生活を過ごしその後定年を前に仕事の関係で仙台に、その後亘理に移り住んで震災に遭遇しました。震災後は長年趣味としていたお菓子作りで、被災した山元町の皆さんに元気になって貰いたいという思いを込めて2015年12月20日にお店をオープンさせました。石塚さんが作るお菓子には山元町の果物がたっぷり使われています。
看板商品「アップルYOU」は、アルファベットのUの形をしたアップルパイで、町のおいしいリンゴがゴロゴロ入っています。山元のりんごがとても甘くおいしく、その味に惚れ込んでの商品。素材の味を活かしてなるべくお砂糖を使わない、というこだわりのアップルパイに仕上がっています。そのほか季節の旬な果物(イチゴやいちじくなど)を使ったお菓子もあります。
店名の「イマール・モンデ」は、石塚さんが作った造語。お店を今後どうしていきたいかという思いが込められています。その名前の由来は自分の胸に秘めて、山元町の宝である果物でみなさんが笑顔になってくれるように今後もお菓子作り、お店をがんばって経営していきたいということです。みなさんも是非ドライブなどで山元町を訪れる際には、お店に顔を出してみてはいかがでしょうか。
亘理町 JR亘理駅代行バスセンター 佐藤誠さん 森栄吉さん
リポート:林 朝子アナウンサー
JR亘理駅の「代行バスセンター」で働くお2人は、現在常磐線の不通区間である亘理駅発着の代行バスの誘導員として働いています。お2人とも震災で職を失い、緊急雇用制度を利用しての再就職。2人は自宅を被災して、なんとか手に職をという時期にこの仕事に出会いました。現在もこの代行バスセンターでは10人程の従業員が働いています。しかしJR常磐線の県内の不通区間がことし12月に開通する見通しとなり、その開通は地元住民としては大変うれしいことではありますが同時に職場のみなさんは職を失うということとなります。
震災後の「手探りの5年間」という時間は、2人にとってサービス業に従事して学ぶことがたくさんあり、貴重な時間だったと振り返ります。夢を持って仕事に取り組めた時間に感謝し、12月までは仕事に集中・全うして過ごしたいと話してくれました。5年という時間の経過、その職場を離れる寂しさも募りますが、その感謝の気持ちを忘れる事が亘理町での震災風化に繋がる恐れもあるかもしれない、内面からの震災風化を防ぎたいとお話し下さいました。