七ヶ浜町 漁師 鈴木直也さん 取材リポート
リポート:藤沢智子アナウンサー
仙台湾を望む七ヶ浜町の菖蒲田浜。私が幼少の頃、海水浴と言えば菖蒲田浜で、浜には海の家が並び、堤防の前には民家が並んでいました。しかし、3年前の津波でそれらは全て無くなってしまいました。
その七ヶ浜町の漁師、鈴木直也さんも津波で家、船、漁具全てを失いました。それでも鈴木さんは「自分たちが動かなければ何も進まないから」と震災から1週間後には浜に向かいました。5月には知り合いの支援で、修理すれば使える船を見つけ、10月には進水式を行い、漁を再開しました。
七ヶ浜の海に魅せられた鈴木さん。七ヶ浜は1年を通して魚の種類が豊富です。春はシラウオやワタリガニ、夏はアワビやウニ、秋はメバルにアイナメ、そして何と言っても10月~11月のボッケ。刺身も揚げものも美味しいのですが、鈴木さんをはじめ七ヶ浜町民の心を掴んでいるのがボッケ汁。七ヶ浜のソウルフードとも言えるとのことです。
ボッケの話をしだすと止まらなくなるくらいボッケが好きな鈴木さん。今は仲間と共に「ボッケ倶楽部七友会」を作り、七ヶ浜の海の幸を全国へ届けようと頑張って活動しています。美味しい魚を食べてもらって、七ヶ浜を好きになってもらって、ゆくゆくは七ヶ浜に遊びに来てもらいたい!と鈴木さんは言います。そんな鈴木さんを動かすのは七ヶ浜の子ども達です。自分達が頑張っている姿を子ども達に見せたい、頑張っている大人達の姿を子ども達に見てもらいたいと、今日も海に出ていきます。