東松島市 小野駅前応急仮設住宅おのくん 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
東松島市で大人気のキャラクター「おのくん」。材料は靴下で、猿をモチーフにした可愛らしい人形です。おのくんは東松島市の小野駅前応急仮設住宅に住む被災された方達が、一つひとつ手作りしています。発案者の武田文子さんに話を伺いました。
仮設住宅で何かをしなければ、何かを作るにしても他では誰も作っていないもの、そんな中、アメリカで生まれたソックモンキーを参考におのくんは誕生しました。製作は昨年4月に始まり、おのくんの愛らしさが反響を呼び、現在では市外からも買い求める人が多く訪れます。ネットでも予約販売をしていますが今では半年待ち!(直接買いに来る人を優先にしているため)作り手によって表情や体形が変わる手作り感が人気を呼び、人形を買うというよりは「里親」になる感覚だそうです。
製作現場は仮設住宅の集会所。生産が追いつかない状況でも現場の雰囲気は良く、皆さんはお茶をして楽しみながら作っています。休みなく作業をしていても苦にならないとのことです。
また、おのくんは人と人とのつながりの役割も果たしています。おのくんがいなければ仮設住宅に足を運んでくれる人はいません。おのくんがいることで多くの人が足を運んでくれ、被災地の現状を知ってもらうきっかけになります。おのくんは仮設住宅の、被災者の、その現状を発信する架け橋となっているのです。
登米市 津山若者総合体育館仮設住宅 取材リポート
リポート:藤沢智子アナウンサー
今回訪れた津山若者総合体育館仮設住宅では南三陸町戸倉の人たち20世帯余りが生活しています。取材に訪れた日には住民の方達のために、ボランティアの人たちがイベントを開いていました。この番組でも何度か紹介していますが、改めて自治会長の阿部一郎さんに仮設住宅の現状などを伺いました。
ここの住民は仲が良く、まとまっています。1~2世帯が引越しましたが、残った人たちは和やかに暮らしています。しかし、今後の住まいに関しては様々な思いがあります。南三陸に戻るとしたら新たに土地を買わねばならない。しかし、値が高い。一方、登米市内の仮設住宅近辺はそこまで高くはない。海の魅力はあるが、津波のことを考えると無理をしたくない気持ちもある。元々住んでいた地区の復興の遅さが拍車をかけている、と阿部さんは言います。
震災から3年を迎える年は間もなくやって来ます。被災された方達の将来が1日でも早く見える事を願うばかりです。
お知らせ…
「3.11みやぎホットライン」今年の放送は今日が最後です。次回の放送は来年1月6日です。