南三陸町歌津 伊里前福幸商店街 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
2011年12月にオープンした伊里前福幸商店街。海産物店、生活雑貨店、理容店など10店舗が軒を連ねています。商店街の組合長、高橋武一さんにお話を伺いました。
先月11日に歌津復興夏まつりが行われましたが、その主役が郵便ポストでした。このポスト、津波で歌津から流され、去年の12月に沖縄の西表島に流れ着いたものです。1年9カ月もの間漂流したポストはところどころ亀裂が入り、色も剥がれ、細かい貝殻が付着したりと見た目は散々。しかし、このポストが沖縄との繋がりを作りました。沖縄出身のバンド「BEGIN」が歌津の夏まつりに駆けつけ、盆踊りの曲を作ってくれました。以前から歌津では盆踊り大会が開催されていましたが震災のため中断。それでも、この曲をきっかけに来年には復活させたいとのことです。
実は歌津では郵便局が未だ復活していません。町の復興に郵便局は不可欠なもの。伊里前福幸商店街が果たす役割は大きいと高橋さんは言います。沖縄そしてBEGINとの交流を今後もポストを通じて深めていきたいと考えています。
亘理町浜吉田 いちご団地 取材リポート
リポート:藤沢智子アナウンサー
仙台東部道路~常磐道を南下し、山元インターの直前に忽然と現れるハウス群。亘理のいちご復活を懸けて建設されたいちご団地です。今月3日に引き渡しが行われ、99個の農家がいちご作りを始めています。その中の一人、震災前は吉田浜でいちごを作っていた平間勝彦さんにお話を聞きました。
ハウスは50m×50mの2500㎡。そこに40m程のベンチがずらりと並び、青々としたいちごの苗が並んでいます。水も肥料も温度管理も全てコンピューターによる一括管理。光合成を促進する二酸化炭素発生装置も設置されるなど、全国にもこれほどのものはないという最新式の設備。連日、各地から視察の人たちが訪れているそうです。
しかし、果たしていちご一本で生活していけるのかどうかはまだ分からないと平間さん。それでも作業は以前よりも格段楽になったので、何とか長く現役でいたいとも言います。現在はこれまでの経験も活かしながら11月半ば、七五三前の収穫を目指しています。
このハウス群の目の前には集荷場が建設中です。ここに亘理、山元の両町で収穫された全てのいちごが集められるとのことです。亘理、山元ではいちごの復興が地域の農業の牽引役になると力を入れています。東北一のいちご産地の復興へ、大きな一歩を踏み出したということになります。