仙台市若林区三本塚町内会 取材リポート
リポート:藤沢智子アナウンサー
仙台市若林区三本塚。東部道路の東側で海からも近く、津波によって10人の方が亡くなるなど大きな被害を受けた地域です。しかし、もともと地域の結束が固かったという三本塚町内会の皆さんは、環境が変わっても常に先のことを考えながら活動してきました。震災前から明日の三本塚を考えるグループが存在していたり、地区の皆の顔が分かり、コミュニケーションも密に取れていたからこそ、将来を考える気持ちが自然に芽生えたと町内会長の小野さんは言います。
小野さんたちは三本塚にとどまらず東六郷地区全体で連携を取って町づくりを進めていきたいと考えています。そのために近隣の町内会にも声をかけ、勉強会を続けています。また、距離が離れていても絆だけは切れないよう、集会所でお茶会を開いたりして情報の共有ができるように工夫もしています。
今後、三本塚がどのように再生していくのかを引き続き取材して、お伝えしようと考えています。
岩沼市玉浦 みんなの家 取材リポート
リポート:飯野雅人アナウンサー
以前この番組でもお伝えした岩沼市玉浦地区の交流拠点「みんなの家」が去る7/10に完成しました。世界的建築家の伊藤豊雄さんが設計に携わり、震災後の町の復興に尽力しているNPO法人がんばっと玉浦の皆さんがアイデアを出し合ってきました。場所は玉浦中学校の北側。集団移転先の造成工事が進む場所と、地元の人たちが住む場所の中間に位置します。建物の外観は昔ながらの家をイメージし、木造平屋で内も外も土壁。床も土間になっていて、ひんやりとした空気が漂い、過ごしやすい空間となっていました。
オープン時には100人以上の人が集まり、地元の野菜を使った料理教室が開催されました。立派なキッチンに手作りのかまど。掘りごたつもあり、まるで自宅に帰って来たかのような居心地の良さを来場の皆さんに提供しました。また、津波で流されてしまったこの地域の家には縁側がある家が多かったと聞きます。しかし、仮設住宅には縁側はありません。世間話をするにも、ちょっと腰掛けて気軽に寛ぐことのできる場所を近隣住民の方達は求めていました。みんなの家はそのようなことができる、気軽に集まれる場所になっています。
現在は土日に野菜の直売を行ったり、女性たちが集まって花セラピーを開催したりしています。みんな家を情報発信と交流の拠点としていきたいと、がんばっと玉浦の谷地沼さんが話をしてくれました。