JNN三陸支局から熊谷公幸記者
気仙沼大島へ修学旅行で訪れた東京の中学生について
栗原市「金成延年閣」営業再開 取材リポート
リポート:粟津ちひろアナウンサー
東北道の若柳金成ICを降り国道4号を北に10分ほど走ったところにある日帰り温泉施設「金成延年閣」。震災直後から営業を中止していましたが、先月30日に営業を再開しました。震災当日から今日までの話を佐藤支配人に伺いました。
まず、お客さんの安全を確保するために従業員の方達は走り回りました。お風呂場では裸で動けなくなった人がいたり、ロッカーが倒れたりしたので裸足で外へ出た人もいたそうです。建物の被害も大きく、大広間の天井がはがれ落ち、貯水槽は傾き、駐車場には真っ二つにヒビが入りました。
これでは営業を停止せざるを得ないと至りましたが、その後に栗原市長が延年閣を避難所として提供し、南三陸町の避難者を受け入れることを表明。4年前の岩手宮城内陸地震の際に南三陸町の方々に大きな支援を頂いた、その恩を返さなければならないということからの決定でした。
こうして4月3日から8月22日までの4ヶ月間、延年閣では南三陸町の111人の避難者を受け入れました。38人の従業員は24時間体制で食事や温泉の提供などの運営に携わりました。避難所としての役目を「やりがいのあった運営だった」と佐藤支配人。その後、10ヶ月に亘る工事期間を経て先週土曜日に営業を再開しました。他の地区に行かれた方達が戻って来るのかという不安はあるものの、本来の仕事に入れるので期待の方が大きいと佐藤支配人は話してくれました。
相の釜地区のメロンの復活について
リポート:飯野雅人アナウンサー
仙台空港の近く、岩沼市の相の釜地区はメロン栽培が盛んな地域でした。しかし、海のすぐ近くだったために津波の被害が大きく、メロン農家の方達の家やビニールハウスは全て流されてしまいました。
そのような相の釜のメロンですが、支援団体の援助を受けて近くの玉浦地区に昨年9月にビニールハウスの造成が始まり、今年4月には苗を定植、現在は収穫の真っ只中です。相の釜ハウス園芸組合の宍戸組合長にお話を伺いました。
この地区のメロン農家は皆、仮設住宅や借り上げ住宅からハウスに通う毎日。以前とは農地の場所も状態も違う。その上、この農地にも1m以上の津波が押し寄せ塩害の心配も拭い切れない。メロンが出来るのか本当に心配だったと宍戸さんは話します。
しかし、収穫したメロンは以前と変わらないくらい、瑞々しく甘みも申し分ない想像以上の出来栄え。環境が異なる中でこれだけのメロンを作ることが出来たのはメロン農家の皆の努力の賜物だと宍戸さんは言います。農業の復興なくして玉浦の復興なし。自分達のメロン栽培が再開したことを通して、この地区全体の農業の復興を宍戸さんは願っています。