災害とメディア研究会 福島県双葉町取材リポート
増子華子アナウンサー取材リポート
今月5日、6日に行われたみやぎ「災害とメディア」研究会の視察に参加した増子アナウンサー。宮城県内報道関係者が約30人が参加し、福島県の双葉町・宮城県の山元町を視察しました。福島県双葉町は、いまだ東京電力福島第一原発に伴い帰還困難区域となっていて双葉町はいまも全町避難が続いています。一部は来月4日に避難指示解除となる予定で居住再開は2022年の春ごろを目標にしています。
今回双葉町役場を秘書広報課の大住宗重さんが案内してくれたのですが、当時の避難の呼びかけの様子や津波が到達するまでの間の様子、そして屋内退避の当日の様子を振り返りました。当時の混乱した様子は話だけでなく、避難指示で3月12日の夕方に閉鎖されて以降のあわただしさがメモなどに残っていたため、時間が止まったままの空間を見ることができました。
また、原発から3kmの双葉南小学校も見学、当時学校に戻れなかった子供たちのランドセルなどがそっくり残っていて、9年前の光景はついさっきのことなのかわからなくなってしまう印象・・・。宮城県で見た津波で「色がない」校舎とは対照的だとな、感じました。当時5年生だった児童は今年成人式を迎えたことを考えると、双葉町での時間の経過は長かったはずなのに時計の針が止まったままであることも印象的でした。
双葉町は、いわき市に役場機能を移していますが、新しい役場は双葉駅のそばに作られる予定となっています。スタートラインにこれから立つ双葉町民の方々が、故郷に戻る環境が少しでも早く整うことを祈るばかりです。
東日本大震災追悼バレエ公演「いのち」/東京・シティバレエ団所属 浅井水希さん
後藤舜アナウンサー取材リポート
岩手県の陸前高田の「奇跡の一本松」を題材にした作品を手掛ける東京・シティバレエ団所属のバレエダンサー、浅井水希さんを取材しました。
震災前日の10日に宮城を訪れ、翌日は東京で東日本大震災に遭遇した浅井さんは、震災の津波で壊滅的な被害を受けた陸前高田町の防潮林「奇跡の一本松」がなぜ1本だけ残ったのか、その意味を考え、実際に足を運んだその場所で「温かみ」を感じたそうです。その時に聞こえてきた会話や見えた光景が印象的だったからかもしれません。
そして、生きている人達と震災で命を失った方の「魂」があるこの場所を題材に、来月仙台市内でセリフを伴わない舞台舞踊の公演を行います。既に東京では3回公演されていて、実際に公演を見てから陸前高田町に足を運んだ観客もいたそうです。本番まであと残り1か月を切りました。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
・東日本大震災追悼バレエ公演「いのち」
日時:3月7日(土)、8日(日) 1日2回公演
場所:仙台市若林区 「能BOX」
問い合わせ:DOAチケットオフィス