第417回東北放送番組審議会 議事概要

■開催日 平成12年6月9日(金) 
■場 所 TBCホール
■出席委員 不破和彦委員長、西井陽子副委員長、星川滉一委員
有馬哲夫委員、菅原雪枝委員、大塚正宸委員
亰けい子委員、今野俊之委員、児玉勝彦委員、和泉長衛委員
   


議事の概要

議題
ラジオ番組「秘められた十字架〜唱歌120年の謎〜」
放送日時
5月29日(月) 午後8時00分〜9時00分

(局側)
 この企画のヒントは偶然目にした「日韓唱歌の深いつながり」という新聞記事で、弘前大学の安田寛教授の「日本人の”こころの故郷”といわれる唱歌、その日本の唱歌が韓国で日本の歌だとは知られずに、自分たちの国の歌としていまもたくさん歌われていることが最近明らかになってきた」というもの。
 戦後50年以上も日本の歌が禁止されてきた韓国で、なぜ日本の唱歌が歌われてきたのか。番組ではこの事について研究中の安田教授と韓国取材を行い、閔庚燦教授(国立韓国総合芸術大学)の話しや現地での取材等から唱歌誕生の謎をとく。
 1時間という限られた時間の中で、音楽を聞かせながらエピソードと歴史的な背景を含めて構成することに神経を使った。番組の中でたくさん流れる歌は初めて放送に流れる歌で貴重な歌。

(委員の主な発言)

◎新しい知識が得られて大変勉強になった。ただ、一つだけ気になったことは、”賛美歌の謎”をクローズアップしすぎたのではないかということだが、全体として大変良質な秀作であり力作。

◎心が洗われた感じがした。この様な番組をこれからも折りにふれて制作して欲しい。いまの若者はどんな風に唱歌を感じているのか、唱歌は若者の心の故郷になりうるのかは面白いテーマだと思う。

◎古代から韓国は日本との歴史が深いという面について一言あってもいいと感じた。専門的な言葉はラジオで聞く場合は難しいので、歴史的な背景に配慮して使った方が一層効果的と思う。

◎これからの地方局は、姉妹局や外国の局と素材を交換する活動が必要と思うので、このような企画は大変いい企画である。また、テーマに広がりがあり、文化のダイナミズムがよく分かって良かった。

◎疑問を提示して謎をといていく構成にスリルとサスペンスを感じた。これが聴いているものを引きつけ、最後まで番組を生き生きとしたものにしたような気がした。
 ハングルは書き文字で、ハングル語という言葉はないのではないか。

◎ラジオを真剣に聴くということに耳が慣れていないせいか、一回聞いただけでは内容が分からず何度も聴いた。また、歌詞とナレーションが重なっているのでこの辺はもう少し気を使ってほしかった。十字架とのつながりについての断定には小気味よさを感じた。もう一度聴きたいと思う番組。

◎放送を聴いて衝撃を受けた。一つの文明論ではないかと感じた。一つの文化が民族の間に移っていく過程を面白く教えてもらったという感じがした。盛り沢山の内容を一時間にうまくまとめている。

◎何十年経っても歌い継がれている歌は、皆に選ばれ好まれているからであって、植民地政策の結果というのは言い過ぎの様な気がした。唱歌がどこの国で作られたか、どいういう所で作られたかはあまり気にしなくてもいいのではないかと感じた。

◎ナレーターの声がこの番組にあっていて、聴きよかった。
 番組で紹介されるいくつかの歌は心をなごませ、ホットさせる。この番組をいまの若者たちに広く知らせたい。

◎”十字架の謎”ということからすると、全体を通して謎の解き明かしに聴く側をどんどん引き入れていくような手法もあって良かったのではないか。
 今回の番組をきっかけに韓国にとどまらず、アジアとの文化の交流に関する番組を積極的に作って欲しい。

(局側)

◎「賛美歌がルーツになっている」と断定的ではないかということについては、時間がなくて放送に入れられなかったが、いろいろな書簡からメーソンは日本にキリスト教を布教したいという使命感を持って日本に来ていたということが推察出来る。その辺、言葉足らずだったかも知れない。

◎ハングル語が言語そのものを表わすかどうか勉強不足だった。これから調べてみます。